制度信用取引ってなに?仕組みや特徴を解説
投資の初心者
先生、『制度信用取引』について教えてください。
投資研究家
制度信用取引とは、取引所が定めたルールに基づき、期間が6か月以内の信用取引を指します。
投資の初心者
取引所規則で決まっているのですね。じゃあ、期間が6か月を超えると制度信用取引ではなくなるんですか?
投資研究家
その通りです。また、PTS制度信用取引と呼ばれる取引所ではなく証券会社がルールを設定する制度信用取引もあります。
制度信用取引とは。
投資でよく使われる用語に「制度信用取引」があります。これは、取引所の規則などで品貸料と弁済の繰り越し期限(最長6ヶ月)が決められている信用取引のことです。一方、「PTS制度信用取引」では、品貸料と弁済の繰り越し期限を認定会員が定めた規則によって決められます。
制度信用取引の概要
-制度信用取引の概要-
制度信用取引とは、証券会社が顧客に資金を貸し付けて株式などを購入する信用取引の一種です。顧客は証券会社から借りた資金を担保として、資金以上の金額の株式を売買できます。この取引では、顧客は証券会社に対して株式の貸株に対する利息を支払う必要があります。また、株式の価格が下落した場合、証券会社は顧客に対して追加の担保を要求することがあります。制度信用取引では、顧客が損失を被るリスクもありますが、自己資金以上の金額を投資できるため、利益を得る可能性も高まります。
品貸料と弁済の繰越期限
制度信用取引には、品貸料と呼ばれる借りた株式や債券の使用料がかかります。品貸料は、取引日ではなく弁済の繰越期限に発生します。弁済の繰越期限とは、取引日から起算して6か月の期間を指し、この期限を過ぎると品貸料が加算されます。品貸料は、長期的に取引を行う場合には無視できないコストとなり得るため、取引を行う際には注意が必要です。
PTS制度信用取引との違い
PTS制度信用取引は、PTS(私設取引システム)上で取引される制度信用取引です。一般的な制度信用取引は証券取引所で行われますが、PTS制度信用取引は証券取引所ではなく、金融庁の認可を受けたPTSと呼ばれる民間企業の取引システム上で取引されます。
主な違いは取引所の有無です。証券取引所で行われる制度信用取引は、市場が監視され、取引が公平に行われるというメリットがあります。一方、PTS制度信用取引は私設取引システム上で行われるため、市場の監視が及ばず、取引が不公平になる可能性があります。そのため、PTS制度信用取引は一般的にリスクが高いとされています。
制度信用取引を利用するメリット
-制度信用取引を利用するメリット-
制度信用取引は、レバレッジを効かせて投資できる魅力的な手段です。レバレッジとは、担保資産を預けることで、本来の自己資金以上の資金を運用できる仕組みのことです。この制度を利用することで、たとえ小さな資金でも、大きな利益を得る可能性があります。
また、制度信用取引には両建てができるという特徴があります。両建てとは、同一銘柄の株式を買いと売りで同時に持つことを指します。通常は、株式を売るためにはその銘柄を保有している必要がありますが、制度信用取引を利用すれば、実際に保有していなくても売ることができます。これにより、株価の下落から利益を得る機会が生まれます。
さらに、制度信用取引では貸株を利用することで、保有している株式から利益を得られます。貸株とは、他の投資家に一時的に自分の株式を貸し出すことを意味します。貸出期間中は手数料を受け取ることができ、保有している株式から追加的な収入を得られます。
制度信用取引を利用する際の注意点
制度信用取引を利用する際の注意点として、まず挙げられるのは追証のリスクです。制度信用取引では、証拠金を担保にして資金を借り入れするため、株価が下落した場合、追加証拠金の入金を求められることがあります。最悪の場合、保有している株式を強制的に売却される「ロスカット」となり、損失が膨らむ可能性があります。
もう1つの注意点は貸株料です。制度信用取引では、証券会社に株式を貸し出してもらい、株を買付する場合、貸株料を支払う必要があります。貸株料は株価や市場状況によって変動し、取引コストの一部になります。
さらに、制度信用取引はレバレッジの倍率が高い点にも注意が必要です。信用倍率は一般的に3倍程度と高く設定されているため、資金以上の取引が可能ですが、その分リスクも大きくなります。無理な資金運用は避け、自身のリスク許容度に応じた取引を行うことが大切です。