一般均衡学派の基礎知識
-ローザンヌ学派とは-
ローザンヌ学派は、19世紀後半から20世紀初頭にかけてスイスのローザンヌ大学を拠点とした経済思想学派です。この学派は、一般均衡理論の基礎を築いたとして知られています。一般均衡理論とは、経済におけるすべての市場が同時に均衡状態にある場合の経済を分析する理論です。
ローザンヌ学派の代表的人物であるレオン・ワルラスは、一般均衡理論の完成を目指した『純粋経済学の要素』を1874年に発表しました。この著作の中で、ワルラスは、すべての市場が相互に依存しており、ある市場の均衡が他の市場の均衡に影響を与えることを示しました。彼はまた、均衡状態における需給のバランスを維持するために、価格が調整されるというメカニズムを明らかにしました。
ローザンヌ学派の思想は、後世の経済学者に大きな影響を与えました。一般均衡理論は、経済の構造や機能を理解するための重要なツールとなり、ケインズ経済学や新古典派経済学などの経済理論の発展に貢献しました。また、ワルラスの均衡メカニズムの概念は、競争市場における価格形成の理論の基礎になっています。