スタンダード市場とは？特徴と上場基準を解説
投資の初心者
先生、スタンダード市場について教えていただけますか？
投資研究家
スタンダード市場とは、上場企業として一定のガバナンス水準を備え、時価総額などの流動性を満たす企業向けの市場だよ。
投資の初心者
じゃあ、上場企業がスタンダード市場に入るためには、一定の条件をクリアする必要があるんですね。
投資研究家
その通り。企業がスタンダード市場に上場することで、投資家からの信頼を得て、資金調達がしやすくなるメリットがあるんだよ。
スタンダード市場とは。
東京証券取引所に開設されている「スタンダード市場」は、投資対象として十分な時価総額（流動性）を有し、上場企業としての基本的なガバナンス水準を満たした企業を対象とした市場です。
スタンダード市場とは
スタンダード市場は、東京証券取引所が提供する上場市場の1つです。少額の資金調達やベンチャー企業の上場を目指している企業が中心にしています。従来の市場区分では「ジャスダック」と呼ばれていましたが、2022年の市場再編に伴い「スタンダード市場」に名称が変更されました。
スタンダード市場の特徴
-スタンダード市場の特徴-
スタンダード市場は、上場基準が比較的緩やかな市場です。成長志向でかつ現業に重点を置いた企業や、十分な営業実績を有しない企業を主な対象としています。メイン市場やグロース市場とは異なり、時価総額や利益額などの財務指標やガバナンス基準の要件が軽減されています。そのため、新規上場企業や急成長中の企業が上場を目指す場合に適しています。
スタンダード市場の上場基準
スタンダード市場への上場基準は、企業の財務状況やガバナンス体制などの要件を満たす必要があります。財務面では、直近3か年の連結純資産総額が5億円以上、かつ直近事業年度の連結負債総額が連結純資産総額の2倍未満であることが求められます。また、親会社または子会社が上場している場合は、直近2年間に上場基準を満たしていることも必要です。
グロース市場との違い
日本の株式市場では、スタンダード市場とグロース市場という2つの市場が存在します。グロース市場は、急成長中の企業や新興企業向けの市場で、上場基準がスタンダード市場よりも緩和されています。一方、スタンダード市場は規模が大きく、経営が安定している企業向けの市場で、グロース市場と比べて上場基準が厳格です。また、スタンダード市場ではグロース市場と異なり、四半期決算の公表義務があるため、投資家による情報開示への信頼性が高くなります。
スタンダード市場のメリット・デメリット
-スタンダード市場のメリット・デメリット-
スタンダード市場の上場基準が緩やかなため、ベンチャー企業や成長企業にとって上場が比較的容易です。また、上場基準が緩やかな分、業績の変動が激しい企業や財務状況が必ずしも安定していない企業も上場できます。これにより、投資家がハイリスク・ハイリターンな投資機会にアクセスできるようになります。
一方で、上場基準が緩やかなため、企業の質がばらつきやすいというデメリットもあります。また、上場企業としての知名度が低く、投資家層が限定されるため、資金調達力が他の市場に比べて劣る傾向があります。さらに、上場廃止基準が厳しいため、業績の悪化や財務状況の悪化により上場廃止になるリスクが他の市場に比べて高いです。