予測単位積増方式とは？財政方式の基本を解説
投資の初心者
予測単位積増方式とは何ですか？
投資研究家
加入期間が1年延びるごとに追加的に給付が発生すると考え、その費用（標準掛金）を毎年度計算していく財政方式です。
投資の初心者
なるほど、将来の給付を予測するのではなく、発生する給付を直接捉えるということですね。
投資研究家
はい、企業会計基準にも用いられる考え方です。
予測単位積増方式とは。
将来の給付額を、加入期間が1年延びるごとに積算して、その都度必要な費用を算出し、加入者ごとに毎年度積み立てていく財政方式が「予測単位積増方式」です。
他の財政方式「予測給付評価方式」では、将来の給付額を予測し、それを賄うための掛金を計算していますが、「予測単位積増方式」では、加入期間ごとに発生する給付額を直接捉えて、それに応じた費用を計算します。
この方式は、企業会計基準でも採用されている、「発生給付評価方式」と呼ばれる考え方にもとづいています。
予測単位積増方式の特徴
-予測単位積増方式の特徴-
予測単位積増方式は、将来の財政支出を予測し、その予測に基づいて毎年一定額を積増していく財政方式です。この方式の特徴は次のとおりです。
* -安定的な支出増加- 予測に基づいて一定額を積増していくため、財政支出が安定的に増加します。
* -財政規律の強化- 将来の支出を予測するため、財政支出の適正化や無駄の削減を促します。
* -予算編成の透明性向上- 積増額が明確にされているため、予算編成が透明になり、説明責任の向上につながります。
* -公共サービスの持続性確保- 予測に基づいた積増により、公共サービスの持続的な提供が確保できます。
* -インフレ調整への対応- 積増額をインフレ率に応じて調整することで、インフレの影響を反映し、実質的な支出の増加を確保できます。
予測給付評価方式との違い
財政方式の予測単位積増方式は、さまざまな予測給付評価方式とは大きく異なっています。予測給付評価方式では、給付対象者や給付期間を個別に想定した上で、各対象者に想定される給付額を評価し、それらの給付額の合計で将来の給付総額を算定します。
一方、予測単位積増方式では、過去の給付実績を基に、将来の給付額を年率で増加する形で推定します。この方式では、将来の給付対象者や給付期間を個別に想定しないため、将来の給付額は過去の実績の延長線上にあると仮定しています。
発生給付評価方式とは
-発生給付評価方式とは-
発生給付評価方式は、予測単位積増方式の財源確保方式の一つです。この方式では、将来発生する給付額の見積もりに基づいて、安定した長期的な財源を確保することを目的としています。
発生給付評価方式では、給付額を見積もる基礎となる人口動態データを活用します。例として、年金制度では、 出生率、死亡率、平均余命などのデータが用いられます。そこから、将来受給される年金給付の総額が算出され、それに応じて保険料が設定されます。
この方式は、将来の給付額が正確に予測できる場合に有効です。そのため、人口動態が比較的安定している国や地域で採用されることが多いです。発生給付評価方式では、将来の負担を明確にし、安定した財源を確保でき、制度の持続可能性を向上させることが期待されています。
予測単位積増方式のメリット
予測単位積増方式のメリットは、その単純さと予測可能性にあります。各年度の予算は、前年度の予算を一定の割合（積増率）で増加させて算定されます。これにより、予算計画が容易になり、支出の安定性が確保されます。また、予測可能であるため、企業や個人が将来の財政状況を予測し、計画を立てることが容易になります。さらに、この方式は他方式に比べて事務手続きが簡便で、コスト効率が高いという利点もあります。
企業会計基準における活用
企業会計基準において予測単位積増方式は、長期的な財務予測を行う際に、将来の収入や支出を一定の単位で段階的に積み上げていく手法です。この方法は、将来の現金の流れを合理的に予測し、収益や費用の認識時期を適切に決定するために使用されます。企業会計基準では、将来の収入や支出の状況が不確実な場合には、予測単位積増方式を用いた財務予測が求められます。また、予測期間を適切に設定したり、売上高や原価などの変動要因を考慮したりすることも重要です。予測単位積増方式は、企業が将来の財務状況を把握し、適切な意思決定を行うために役立てられています。