継続基準とは？企業年金における財政検証の手法
投資の初心者
『継続基準』について教えてください。
投資研究家
『継続基準』とは、企業年金が決算時に財政状況を検証するルールのことだよ。年金制度が今後も継続できるかどうかという観点から検証するんだ。
投資の初心者
具体的には、どのような検証を行うのですか？
投資研究家
企業年金の責任準備金に見合った純資産を確保しているかどうかを検証するんだ。もし純資産が責任準備金を下回っていたら、繰越不足金の解消が必要になるよ。
継続基準とは。
投資に関わる用語「継続基準」とは、企業年金が財政的に健全であるかを審査するための検査の一つです。企業年金が今後も継続できるかどうかを調べ、責任準備金が十分かどうかを確認します。
決算後に繰越不足金（純資産額が責任準備金を下回る額）が発生し、その額が許容繰越不足金と資産評価調整額の合計を超えた場合、検査基準日に基づき掛金を再計算して繰越不足金を全額解消しなければなりません。
ただし、資産評価調整額がプラスの場合、繰越不足金のうち資産評価調整額相当分については解消する必要がありません。
継続基準とは何か？
企業年金制度は、加入者に対して退職後の安定した生活を保障する重要な仕組みです。この企業年金制度の健全性を維持するために、財政検証と呼ばれる定期的な財務検査が行われています。その財政検証において、企業年金が長期にわたって存続可能かどうかを判断する基準が継続基準です。
継続基準は、企業年金の資産と負債の将来予測を考慮して設定されます。具体的には、加入者全員が退職し、給付を受け取った場合に、企業年金の資産が負債を上回っているかどうかが検証されます。この基準を満たしている場合、企業年金は継続可能と判断され、加入者に対して安定した給付が提供され続けることになります。
継続性の観点から行われる財政検証
継続性の観点から行われる財政検証とは、企業年金制度が継続的に運用され、運営資金が安定的に確保されているかどうかを検証する手法です。この検証は、企業の財政状況や経済情勢などを考慮して、一定期間にわたって制度の財政収支を予測・評価することで行われます。
予測・評価の根拠となる想定は、過去の実績や外部環境の動向を踏まえて合理的に設定されます。例えば、企業の収益・支出、人口動態の変化、運用利回りの変動などが考慮されます。これらの想定に基づいて、将来の企業年金制度の財政収支が試算され、収支均衡が保たれているかどうかが判定されます。
責任準備金と純資産額の検証
企業年金の財政状態を検証するために用いられる手法の一つが「責任準備金と純資産額の検証」です。この手法は、責任準備金が企業年金の将来の給付債務を十分に賄っているかどうか、また、純資産額が責任準備金を上回っているかどうかを検証します。
責任準備金とは、年金加入者が将来受け取る予定の年金給付の現在価値を計上したもので、「積み立て」とも呼ばれます。一方、純資産額は、年金資産の合計から年金負債の合計を差し引いた金額で、「財産」を表します。責任準備金が純資産額を超過すると、年金資産が将来の給付債務を賄うのに不十分であることを示します。責任準備金が純資産額を下回る場合、年金資産が将来の給付債務を賄うのに十分以上に余裕があることを示します。
繰越不足金の解消義務
繰越不足金の解消義務
企業年金制度では、毎年年金資産と年金負債を比較し、不足金が発生した場合に繰越不足金として計上されます。この繰越不足金を解消する義務が企業に課せられています。
繰越不足金は、将来の被保険者や受給者に対して年金給付を行うために必要な資金を確保するために必要なものです。企業は、繰越不足金が生じた場合は、その解消計画を立て、適切な措置を講じる必要があります。
解消計画には、次のような内容が含まれます。
* 不足金の額と解消までの期間
* 不足金を解消するための財源
* 解消のための具体的な施策
企業は、解消計画に基づいて、繰越不足金を確実に解消しなければなりません。解消が遅れると、年金の給付に支障をきたすおそれがあります。
資産評価調整額が及ぼす影響
資産評価調整額は、企業年金の財政検証において重要な役割を果たします。資産評価調整額は、年金資産の市場価格と、年金計算基礎で使用される評価額との差額です。この差額は、年金資産の価値の変動によって生じ、企業年金の財務状況に大きな影響を与える可能性があります。
資産評価調整額がプラスの場合、年金資産の市場価格が評価額を上回っていることを示します。この場合、年金基金は財務的に健全とみなされ、年金給付金の支払いに余裕があると考えられます。逆に、資産評価調整額がマイナスになると、年金資産の価値が評価額を下回っていることになり、年金基金は財務的に不安定な状態にある可能性があります。そのため、資産評価調整額は、企業年金の財政検証において、年金基金の健全性を判断するための重要な指標となるのです。