企業型年金とは？仕組みやメリットを解説

企業型年金とは？仕組みやメリットを解説

企業型年金の仕組み

企業型年金とは、企業が従業員のために用意する退職後の年金制度です。企業と従業員が協同して掛金を拠出し、拠出した資金は企業が選定した金融機関で運用されます。最終的に、従業員が退職時に積立金を年金として受け取ることができます。

企業型年金は、企業が拠出する掛金が全額税額控除の対象となるため、税制上の優遇があります。また、運用の利益も非課税となり、複利効果によって積み立てが拡大します。さらに、確定給付型であれば、将来の年金受給額が保証されます。確定拠出型であれば、受給額は運用成果によって変動するものの、従業員が運用方針を選択できるため、将来の年金額に対する自己決定権があります。

企業型年金のメリット

-企業型年金のメリット-

企業型年金には、加入によって得られるさまざまなメリットがあります。まず、税制上の優遇が挙げられます。拠出金は原則として全額所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。

また、運用の収益に対する運用益が非課税となる点もメリットです。長期にわたって運用を行うことで、資産を効率的に拡大することができます。

さらに、企業型年金は老後の生活資金の確保に役立ちます。定年を迎えた後に年金が支給されるため、老後の資金不安を軽減できます。また、年金は公的年金と併給することが可能であり、より充実した老後生活を送ることができます。

厚生年金との違い

-厚生年金との違い-

企業型年金と厚生年金は、どちらも老後の年金額を補うための年金制度ですが、いくつかの重要な違いがあります。

まず、加入対象が異なります。企業型年金は企業が加入者に加入を促す私的年金制度ですが、厚生年金は雇用保険に加入しているすべての労働者を対象とした公的年金制度です。

また、拠出方法も異なります。企業型年金は企業と従業員の両方が拠出金を行うのが一般的です。一方、厚生年金は企業と従業員が拠出金の一部を負担しますが、国からの補助金もあります。

さらに、給付方法にも違いがあります。企業型年金は退職金として一括支給されることが多く、厚生年金は老齢年金として月々の支給が一般的です。

ただし、両方の年金制度が老後の所得保障に役立つという点では共通しています。企業型年金は厚生年金を補完する役割を担うため、賢く組み合わせることでより充実した老後資金を確保することができます。

導入企業のメリット

導入企業のメリット

企業型年金は、導入企業にもさまざまなメリットがあります。

・-従業員の定着率向上-厚生年金の上乗せ給付により、従業員の福利厚生が充実し、定着率の向上が期待できます。
・-人材確保の強化-企業型年金制度が整っていることで、優秀な人材の採用競争で有利になります。
・-従業員のモチベーション向上-退職後の安定した収入が確保されると、従業員のモチベーションが高まり、業務への意欲向上につながります。
・-税制上の優遇-保険料や運用益は、一定の範囲内で損金算入することができます。また、退職給付金は、従業員側の退職所得控除の対象になります。

投資対象の選択

企業型年金のもう一つの重要な側面は、投資対象の選択です。企業によっては、あらかじめ用意された複数の投資メニューから従業員が選択できるようになっています。株式や債券、不動産など、さまざまな資産クラスに投資できます。

従業員が投資対象を選択する際には、年齢やリスク許容度、運用期間などを考慮することが重要です。株式は一般的に高いリターンが期待できますが、変動リスクも高いです。一方、債券はリスクが低く、安定したリターンが期待できます。不動産は、長期的なキャピタルゲインが期待できます。

投資対象を適切に選択することで、従業員は自分のリスク許容度と運用期間に合った資産運用を行うことができ、老後の資金に備えることができます。