実質純資産とは?純資産を超える価値の高い資産
投資の初心者
先生、『実質純資産』ってなんですか?
投資研究家
それは、純資産に含み資産を加えたものだよ。
投資の初心者
含み資産ってなんですか?
投資研究家
名義上は所有していないが、市場価値がある資産のことだよ。
実質純資産とは。
投資用語の「純資産」とは、資産から負債を引いたものです。これに保有している株式や債券などの含み資産を加えたものが「実質純資産」です。
実質純資産の定義
実質純資産とは、資産の公正価値と負債の市場価値の差額のことです。純資産は会計上の概念ですが、実質純資産は市場の評価に基づいています。言い換えると、実質純資産は、企業が清算した場合に得られる現金を考慮した資産の価値です。
純資産との違い
-純資産との違い-
純資産は、負債から資産を引いた額です。一方、実質純資産は純資産に潜在的な資産価値を加えたものです。この潜在的資産価値には、ブランド価値、顧客関係、知的財産などが含まれます。
実質純資産は、財務諸表に記載されていないことが多いという点が純資産と異なります。そのため、実質純資産は、企業の真の財務状況をより正確に反映していると考えられています。特に、新興企業や技術企業などの無形資産が大きい企業では、実質純資産が純資産よりも高い価値を示すことがよくあります。
実質純資産の計算方法
実質純資産の計算方法は、企業の財務状況をより正確に把握する上で役立ちます。実質純資産は貸借対照表の「純資産」と「負債」の差額を基本としますが、そこへ潜在的資産や負債を加味します。
潜在的資産とは、貸借対照表には記載されていないものの、企業が保有する価値のある資産です。例えば、企業ブランド、顧客基盤、研究開発の成果などが挙げられます。一方、潜在的負債は貸借対照表に記載されていない将来的な債務です。環境保護コストや退職給付債務などが含まれます。
実質純資産の計算式は次のようになります。
実質純資産 = 純資産 + 潜在的資産 – 潜在的負債
実質純資産のメリット
実質純資産とは、適正市場価値で評価された資産から負債を差し引いたものです。つまり、純資産よりも高い価値を示す可能性があります。これは、株や不動産などの資産の価値が上昇した場合に発生する可能性があります。
実質純資産にはいくつかのメリットがあります。まず、会社の財務状態をより正確に反映します。これは、資産が適正市場価値で評価されるためです。バランスシート上の価値よりも高い価値で資産が売却されると、会社の純資産が実質純資産よりも過小評価される可能性があります。
次に、実質純資産は会社の借入能力を向上させるのに役立ちます。貸し手は通常、純資産よりも実質純資産を評価します。これにより、より高い限度額で融資を受けたり、より低い金利で融資を得たりすることが可能になります。
最後に、実質純資産は会社の価値をより正確に反映します。これは、投資家が投資する前に考慮する重要な指標です。実質純資産が高いことは、会社が高く評価されていることを示しています。
実質純資産のデメリット
実質純資産のデメリットとして、評価に主観性が伴い、資産の価値が実際よりも過大または過小に評価される可能性が挙げられます。評価は会計士やアナリストなどの専門家によって行われますが、彼らの判断は主観的な要素に基づくため、資産の価値に対する認識に差が生じる可能性があります。また、実質純資産は未実現の利益や損失を含まないため、資産の現在の価値を正確に反映していない場合があります。評価の主観性と未実現の利益や損失を含まないという性質により、実質純資産は資産の価値に対する不確実性を伴う指標となるのです。