時価評価とは？

時価評価とは？

時価評価の定義

時価評価とは、市場で取引される類似資産を基準として、対象資産の価値を合理的な方法で判定する方法です。これは、財務諸表上の資産の価値を正しく反映するために不可欠な会計上の手法です。時価評価では、対象資産の購入または販売に関連するコストと便益を考慮し、合理的な市場価格を判断します。

簿価評価との比較

-簿価評価との比較-

時価評価と対照的なのは、簿価評価です。簿価評価は、資産の取得原価から償却費を差し引いた価値を基準にした評価方法です。時価評価とは異なり、簿価評価では市場の変動を考慮しません。そのため、簿価評価は、資産の現在の価値を正確に反映していない可能性があります。

例えば、ある企業が建物を購入し、それが簿価で100万円であったとします。しかし、その建物の市場価値が上昇し、現在は200万円になっている可能性があります。この場合、時価評価では建物の価値が200万円と評価されますが、簿価評価では依然として100万円と評価されます。この違いにより、企業の財務諸表上の資産の価値に大きな乖離が生じる可能性があります。

財政運営における時価基準

財政運営における時価基準とは、自治体が保有する資産や負債の時価評価を行うことを意味します。これにより、財政状況のより正確な把握が可能になり、健全な財政運営に役立てることができます。過去の取得原価に基づいた簿記基準では、資産価値の変動が反映されず、財政状態を過大か過小評価してしまうおそれがあります。時価基準を採用することで、資産の減損や負債の過小評価を防ぎ、財政の透明性と信頼性を高めることができます。

パフォーマンス評価における時価基準

パフォーマンス評価において、時価基準は重要な評価基準の1つとなります。時価評価とは、特定の時点における資産の現在価値を市場価格に基づいて算出することです。時価基準は、投資家が実際の市場価格を考慮して投資パフォーマンスを評価するのに役立ちます。

投資家が投資パフォーマンスを評価する場合、基準となる指数の時価を基準として自らの投資成果を比較します。例えば、株式投資の場合、日経平均株価やTOPIXなどの主要指数の時価と、自身の投資ポートフォリオの時価を比較し、パフォーマンスを判断します。このとき、時価基準を用いることで、市場全体のパフォーマンスと自らの投資成果との乖離を把握することができます。

時価評価における発生主義

-時価評価における発生主義-

時価評価では、「発生主義」という原則が採用されています。これは、資産や負債を時価に評価する際、その発生時点から評価時点までの間に発生した事実・状況をすべて考慮して評価することを意味します。発生主義により、資産や負債の価値は、取得時または発生時点の価値ではなく、評価時点で公正に評価されます。これにより、企業の財務諸表の信頼性と正確性が高まります。たとえば、取得価格よりも価値が上昇した資産は、評価時点のより高い時価で評価されます。反対に、価値が下落した資産は、評価時点のより低い時価で評価されます。