時間加重収益率とは?評価方法と計算式
投資の初心者
時間加重収益率について教えてください。
投資研究家
時間加重収益率は、運用期間中の資金の増減の影響を除いて、運用機関の運用能力を評価するための収益率計算方法だよ。
投資の初心者
厳密法と簡便法があるそうですね。違いは何ですか?
投資研究家
厳密法は最も正確ですが、事務負担が大きいので、通常は内部収益率リンク法に基づく修正ディーツ法や修正BAI法などの簡便法が採用されているよ。
時間加重収益率とは。
「時間加重収益率」とは、運用期間中の資金の増減(企業年金の掛金や給付など)の影響を排除して、運用機関の運用力を評価するための投資収益率の計算方法です。
計算方法は、厳密計算で行う「厳密法」と、近似値を得る「簡便法」があります。簡便法には、「修正ディーツ法」や「修正BAI法」などがあります。精度は厳密法が最も高いですが、毎日時価評価が必要になるため複雑なため、簡便法が広く使われています。
時間加重収益率の概要
-時間加重収益率の概要-
時間加重収益率(Time-Weighted Return)とは、投資において一定期間のトータルリターンを算出する方法です。これは、複利を考慮したリターンを表し、投資された資金がどのように時間の経過とともに成長したかを示します。投資期間のキャッシュフローをすべて含め、収益の再投資の影響を反映することで、実際のリターンのより正確な測定値を提供します。この指標は、投資パフォーマンスの評価や異なる投資オプションの比較において非常に役立ちます。時間加重収益率を使用すると、時間とともに資金の成長率を明確に把握し、長期的な投資目標の達成度合いを把握できます。
運用期間中のキャッシュフローの影響を除外
運用期間中のキャッシュフローの影響を除外
時間加重収益率は、キャッシュフローの再投資の影響を考慮に入れていません。これは、再投資によって収益率が歪められる可能性があるためです。例えば、値上がりした株を早期に売却し、その収益をさらに高いリターンが期待できる投資に再投資すれば、全体的な収益率が上昇します。しかし、この上昇分の収益率は、元の投資のリターンではなく、再投資によるものです。時間加重収益率は、このようなキャッシュフローの再投資による影響を除外することで、投資の本来のパフォーマンスを評価します。
運用機関の運用能力評価における活用
運用機関の運用能力評価において、時間加重収益率(TWR)は重要な指標の1つです。TWRは、実際の投資キャッシュフローを反映した収益率を表し、定期的な投資や出金のタイミングを考慮しています。これにより、運用機関の投資戦略の有効性をより正確に評価できます。
運用能力の評価では、TWRはベンチマークや他の投資戦略に対するリスク調整後の収益率を比較するために使用されます。運用機関が市場平均以上のTWRを達成していれば、その運用能力が高いと評価できます。さらに、TWRは、異なる投資期間における運用パフォーマンスを比較するのにも役立ち、運用機関の一貫性や市場に対する適応性を判断できます。
厳密法と簡便法による計算方法
-厳密法と簡便法による計算方法-
時間加重収益率を算出する方法は、厳密法と簡便法の2つがあります。厳密法は、各評価期間の初めに保有する株式価値を基に収益率を計算する方法です。これによりより正確な収益率が得られますが、計算が複雑です。
一方、簡便法は、各評価期間の初めに保有していた株式数をもとに収益率を計算する方法です。計算が簡単ですが、厳密法に比べて収益率がやや過小に見積もられることがあります。
各種簡便法の比較
各種簡便法の比較
時間加重収益率(Time Weighted Return、TWR)を計算する簡便法には、主に「ゲオメトリック平均法」、「算術平均法」、「インデックス法」の3種類があります。
「ゲオメトリック平均法」は、期間中の収益率の乗算のn乗根を取ることで期間収益率を計算する方法です。この方法は、再投資による複利効果を考慮した正確な収益率が得られます。
「算術平均法」は、期間中の収益率を単純に合計して期間数で除することで期間収益率を計算する方法です。この方法は簡便ですが、再投資による複利効果を考慮しないため、実際よりも収益率を過大に評価する可能性があります。
「インデックス法」は、期間中に設定された特定のインデックスの変動率と、投資対象の収益率の変動率を比較することで期間収益率を推定する方法です。この方法は、インデックスに連動する投資対象の場合に有効ですが、他の場合では正確な収益率が得られない可能性があります。