投資における共分散とは?その意味と使い方

投資における共分散とは?その意味と使い方

投資の初心者

『共分散』について教えてください。

投資研究家

『共分散』は、2つの資産の同時変動性を表す尺度です。その計算方法は、それぞれの資産の収益率の期待値からの差の積の平均です。単位は%の2乗です。

投資の初心者

『共分散』が正の値になるのはどういう場合ですか?

投資研究家

『共分散』が正になるのは、同一方向に変化する傾向のある2つの資産間の場合です。つまり、一方の資産が上昇傾向にあるときに、もう一方の資産も上昇傾向にある場合です。

共分散とは。

投資において「共分散」という用語があります。共分散とは、2つの資産が一緒に動く傾向を表す指標です。それぞれの資産のリターンの平均値からの差を掛け算して平均したものです。

共分散も分散と同じく、2つの資産の平均からのズレを掛け合わせています。そのため、単位は%の2乗となり、具体的な数値ではなく、関係性の強さを表します。

プラスの値を掛け合わせたときにもプラスになり、マイナスの値を掛け合わせたときにもプラスになるので、同じ方向に動く傾向のある2つの資産では共分散の値はプラスになります。逆に、異なる方向に動く場合はマイナスになります。

共分散は、異なる資産間の関係性の方向を示すのに役立ちますが、その強さを比較するのは困難です。そこで、共分散をそれぞれの標準偏差で割って標準化した「相関係数」がよく使われます。

相関係数は、-1から+1までの値をとり、2つの資産間の関係性の強さを相対的に比較することができます。

共分散とは何か

共分散とは何か

共分散とは、投資において、異なる2つの資産の値動きがどれだけ連動しているかを測る統計的手法です。つまり、ある資産の値上がりともう一方の資産の値下がりとの関係を示します。株式と債券の組み合わせであれば、株式市場の変動が債券市場の変動にどれだけ影響を与えるかを示すことができます。共分散はプラスの場合、資産は同じ方向に連動し、マイナスであれば逆の方向に連動します。ゼロであれば、2つの資産は独立しており、連動しません。

共分散の計算方法

共分散の計算方法

共分散の計算方法は、比較的単純です。投資リターンが平均値から乖離している度合いを測る標準偏差と同様に、共分散も各投資リターンの平均値からの差の積の平均として計算されます。具体的には、2つの投資の共分散は、以下の数式で表されます。

共分散 = Σ[(リターンA – 平均A) * (リターンB – 平均B)] / (n – 1)

ここで、Σは合計を表し、リターンAとBは各投資のリターン、平均AとBはそれぞれの平均リターン、nはリターンの数を表します。

共分散の正負の意味

共分散の正負の意味

共分散の正負の意味

共分散が正の値である場合、2つの資産は連動して変動します。すなわち、1つの資産が上昇すると、もう1つの資産も上昇する傾向にあります。一方、共分散が負の値である場合、2つの資産は逆相関しています。つまり、1つの資産が上昇すると、もう1つの資産は下落する傾向があります。正の共分散は、ポートフォリオのリスクを低減させるのに役立ちます。なぜなら、異なる方向に動く資産を組み合わせることで、全体的なポートフォリオの値動きを平準化できるからです。反対に、負の共分散はポートフォリオのリスクを高めます。なぜなら、一方の資産が上昇すると、もう一方の資産が下落するため、ポートフォリオ全体の値動きがより大きくばらつく可能性があるからです。

共分散の利用用途

共分散の利用用途

-共分散の利用用途-

共分散は、投資ポートフォリオの リスクとリターンの関係性を測定 するのに役立ちます。たとえば、2つの資産の共分散がプラスである場合、それらの資産は同じ方向に動く傾向があります。つまり、1つの資産の値が上昇すると、もう1つの資産の値も上昇する可能性が高いということです。

共分散を使用して、ポートフォリオの全体的なリスクを 分散 することもできます。共分散が低い資産をポートフォリオに組み入れることで、市場の変動による影響を軽減できます。また、共分散を利用して、特定の市場セクターまたは業界への エクスポージャーを調整 することもできます。

共分散の限界

共分散の限界

共分散の限界

共分散はポートフォリオのリスクを測定する上で役立つ指標ですが、万能ではありません。共分散は相関関係を考慮しますが、他の要因を見落とす可能性があります。たとえば、共分散は極端な市場イベントや、相関関係が変化する状況では正確なリスク測定値を提供できない場合があります。投資家は、ポートフォリオのリスクを評価する際には、共分散に加えて、他のリスク指標や定性的な分析も考慮することが重要です。

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