スイスフランとは?「有事の米ドル」の真実
投資の初心者
先生、スイスフランについて教えてください。
投資研究家
スイスフランはスイスの通貨で、ユーロには参加せずに独立しています。
投資の初心者
どうしてスイスフランは「有事の米ドル」と呼ばれるのですか?
投資研究家
戦争などが起こったときに、米ドルに替わって安全資産として買われることが多いためです。米国テロのときにも米ドルに代わり、スイスフランが買われました。
スイスフランとは。
投資用語でよく聞く「スイスフラン」とは、スイスの通貨です。ユーロ圏には参加せず、独立した通貨として扱われています。
「有事の米ドル」とも呼ばれ、戦争などの非常時には米ドルが買われやすくなる傾向がありました。しかし、米国同時多発テロ事件の際には、米ドルに代わってスイスフランが買われるという異例の事態が発生しました。
スイスフランの特徴とユーロとの違い
スイスフランの特徴とユーロとの違い
スイスフランはユーロと並んでヨーロッパの主要通貨の一つですが、両者にはいくつかの重要な違いがあります。最大の相違点は、価値の安定性です。スイスフランは過去100年間、安定して強価を維持しており、「有事の米ドル」とも呼ばれています。これは、国際情勢が不安定な時期に投資家が安全資産としてスイスフランに資金を避難させるためです。一方、ユーロはユーロ圏加盟国の経済状況に左右されやすく、変動幅はスイスフランよりも大きくなっています。
スイスフランが「有事の米ドル」と呼ばれる理由
スイスフランは「有事の米ドル」とも呼ばれています。これは、世界的な危機や不確実性の時期に、安全資産としての価値が高まるためです。スイスフランは、政治的、経済的、金融的に安定しているスイスの通貨です。そのため、投資家がリスクを回避したい場合の避難所として重宝されています。
米国同時多発テロ事件後のスイスフランの動き
米国同時多発テロ事件(9.11同時多発テロ)勃発後の2001年、世界経済は極めて不安定な状況に陥りました。この不確実性から、投資家は安全資産への逃避を図り、結果としてスイスフランに対する需要が高まりました。スイスフランは「有事の米ドル」として知られ、伝統的に世界的な危機や動揺の時代に安全な避難先とみなされてきたからです。
このため、9.11事件後、スイスフランの価値は急上昇しました。米ドルやユーロに対して上昇し、記録的な高値を更新しました。この上昇は、投資家がリスクを回避するためにスイスフランに資金を移したため、主に引き起こされました。また、スイス国立銀行の積極的な介入も、上昇に寄与しました。
スイスフランの投資におけるメリットとデメリット
-スイスフランの投資におけるメリットとデメリット-
投資としてスイスフランを検討する際、そのメリットとデメリットを理解することが不可欠です。メリットとしては、安全資産としての役割が挙げられます。世界経済が混乱するような有事には、スイスフランは「有事の米ドル」として安全な避難先と見なされる傾向があります。また、スイスの経済の安定性と金融政策の健全性により、価値が比較的安定していることもメリットです。
一方で、デメリットもあります。まず、利回りの低さが挙げられます。スイス国立銀行はインフレ率を抑えるために金利を低く維持しており、これによりスイスフランの利回りは他の通貨に比べて低くなっています。さらに、ボラティリティの低さもデメリットとなり得ます。スイスフランは比較的安定していますが、この安定性は逆に投機的な機会を逃す可能性につながります。
スイスフラン投資の注意点
スイスフラン投資の注意点として、以下のような点に留意することが不可欠です。まず、スイスフランは他の通貨と比べて流動性が低い傾向があります。そのため、大量の注文を執行する場合や、市場の変動が激しい場合には、スプレッド(売値と買値の差)が拡大したり、注文が約定しにくくなったりする可能性があります。
また、スイス国立銀行はしばしば為替介入を実施しています。スイスフランが過度に上昇したとみられる場合には、スイスフランを売却してユーロを購入することでスイスフランの価値を引き下げようとします。このような介入により、スイスフランの価値が大きく変動する可能性があります。
さらに、スイスはEU加盟国ではありませんが、EU加盟国と緊密な経済関係にあります。そのため、ユーロ圏の金融情勢がスイスフランにも影響を与えることがあります。ユーロ圏の金融不安が高まると、スイスフランに資金が流入し、スイスフランの価値が上昇する傾向があります。