投資の基本用語『価値論』を解説！

投資の基本用語『価値論』を解説！

価値論とは？

「価値論」とは、投資の世界において、ある資産の価値を評価する理論的枠組みのことです。資産の価値とは、それが何らかの利益や満足感をもたらす能力を指します。価値論では、資産の価値を決定するさまざまな要因を考察します。例えば、資産の収益性、キャッシュフロー、リスク、市場環境などです。価値論を理解することで、投資家は資産の潜在的な価値を評価し、賢明な投資判断を下すことができます。

価値の本質に関する2つの理論

投資の基本用語である「価値論」には、価値の本質に関する2つの主要な理論が存在します。

主観的価値論は、価値とは商品やサービスの効用や、個々の消費者にとっての有用性に基づくと考えています。つまり、価値は客観的なものではなく、個人の好みや嗜好によって異なります。

一方、客観的価値論は、価値は商品やサービスの生産に使用される労働や資源の量によって決定されると主張します。この理論では、価値は客観的かつ測定可能なものであり、個人の主観に左右されません。

古典派経済学の『労働価値説』

古典派経済学の「労働価値説」とは、商品やサービスの価値は、その生産に要する労働の量で決まるという理論です。古典派経済学の代表者であるアダム・スミスやデイビッド・リカードによって提唱されました。

この理論では、労働は商品やサービスを作る唯一の価値創造要因と考えられており、労働者以外の生産手段は価値を生み出すとされませんでした。つまり、商品の価値は、労働者が必要とする賃金や、生産プロセスで消費される原材料の価格など、労働がもたらす費用によって決定されると考えられていたのです。

新古典派経済学の『効用価値説』

新古典派経済学では、「効用価値説」という価値の理論が提唱されています。この説によると、財やサービスの価値は、それらが消費者に与える効用、つまり満足や快楽によって決まります。効用は個人の主観的なものであり、その結果は市場において需要と供給のバランスによって決定されます。すなわち、財やサービスに対する需要が高いほど、その効用が高くなり、その価値も上昇します。逆に、供給過剰になれば効用は低下し、価値も下落します。この理論は、財の希少性や消費者嗜好の重要性を強調しており、現代経済学の基盤をなす重要な概念の一つです。

投資における価値論の活用

投資において、価値論を理解することは、より賢明な投資判断を下すために不可欠です。価値論は、資産が投資する価値があるか、あるいは過大評価されているかを評価するための枠組みを提供します。価値論を用いることで、投資家は過小評価されている可能性のある資産を特定し、利幅を得る機会をつかむことができます。さらに、価値論は過大評価された資産を特定するのにも役立ち、損失を回避するのに役立ちます。たとえば、投資家は、成長の可能性が限られているのに株価が急騰している会社を、価値論に基づいて回避することができます。