経常海外余剰の仕組みを理解する

経常海外余剰の仕組みを理解する

投資の初心者

先生、『経常海外余剰』って何ですか?

投資研究家

経常海外余剰とは、純輸出(輸出から輸入を引いた額)に海外からの純所得受取を加えたものです。

投資の初心者

純所得受取とは何ですか?

投資研究家

海外にある資産からの利子や配当などの収入を、海外への支払額から引いたものです。つまり、海外投資によって得た収益のことです。

経常海外余剰とは。

貿易関連の用語で「経常収支黒字」があります。これは、輸出から輸入を引いた純輸出額に、海外から受け取る純所得を加えたものです。これを「外需」とも呼びます。

経常海外余剰とは何か

経常海外余剰とは何か

経常海外余剰とは、簡単に言えば、ある国が外国貿易やサービス取引で得た収入が、外国への支払いよりも多い状態のことです。言い換えると、ある国が海外と取引した結果、持っているお金が増えているということです。この余剰は、輸出の増加、輸入の減少、またはその両方によって生じます。

経常海外余剰の計算方法

経常海外余剰の計算方法

経常海外余剰を計算するには、ある国が輸出する商品やサービスの合計である輸出額から、輸入する商品やサービスの合計である輸入額を差し引きます。さらに、この差額から、海外旅行の収支や投資収益などのサービス収支を差し引きます。得られた数値が、その国の経常海外余剰となります。

経常海外余剰は、その国の経済の健全性を示す重要な指標です。経常海外余剰がプラスであれば、その国は自国で生産した商品やサービスを他国に販売することで収入を得ており、経済に余裕があることを示します。逆に、経常海外余剰がマイナスであれば、その国は輸入に依存しており、他国に借金をしている可能性があります。

経常海外余剰の影響

経常海外余剰の影響

経常海外余剰は、国際収支において輸出が輸入を上回り、経常収支がプラスになるときに生じます。この状態が続くと、対外資産が増加し、通貨高を招く可能性があります。さらに、国内の物価上昇を抑制し、輸入品が安価になることで消費者物価を下げる効果もあります。また、経常海外余剰によって海外からの投資が増加する場合があり、国内産業の発展や雇用創出につながることもあります。ただし、経常海外余剰が過剰になると、輸出競争力が低下したり、国内産業が保護されすぎたりするなどの問題が発生する可能性があります。

経常海外余剰のメリットとデメリット

経常海外余剰のメリットとデメリット

経常海外余剰のメリット

経常海外余剰は、国内で生産した財・サービスの価値が輸入したそれらの価値を上回ると発生します。この状態は、高い国内貯蓄率、競争力のある輸出産業、低い輸入依存度などの要因によって引き起こされます。経常海外余剰がある国は、外国製品に対する需要が少ないため、インフレの抑制に役立ち、経済的安定性を高めます。また、外国資産への投資を通じて、将来に対する資金調達を可能にし、国の経済成長を促進することができます。

経常海外余剰のデメリット

一方で、経常海外余剰にはデメリットもあります。貿易相手国との摩擦を招く可能性があります。余剰のある国は輸出に依存し、赤字のある国は輸入に依存するため、両国間の貿易不均衡が生じやすくなります。これにより、保護主義的な政策や貿易紛争につながる可能性があります。さらに、経常海外余剰は、国内で生産するよりも輸入する方が安価になる場合に、国内産業の空洞化をもたらすことがあります。また、通貨の上昇圧力を生み、輸出産業の競争力を低下させる可能性もあります。

経常海外余剰の推移

経常海外余剰の推移

経常海外余剰の推移を振り返ると、日本は1980年代までは貿易黒字を背景に経常海外余剰の状態が続いていました。しかし、バブル経済崩壊後、輸入の増加や海外投資の拡大などにより経常収支が赤字に転落。その後、2000年代に入り貿易黒字が回復したことで経常海外余剰に復帰しましたが、2008年のリーマンショック以降、再び赤字に転落しています。2010年代後半からは黒字が続いているものの、近年は資源価格下落などにより貿易黒字は縮小傾向にあり、経常海外余剰も減少しつつあります。

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