投資用語解説『給付現価』とは？仕組みと計算方法を解説

投資用語解説『給付現価』とは？仕組みと計算方法を解説

給付現価とは

「給付現価」とは、将来受け取るはずの金銭的報酬の現在の価値を計算する概念です。この概念の根底にある考え方は、今日の1ドルは、将来受け取る1ドルよりも価値が高いということです。この差は、時間的価値とリスクが原因です。将来受け取る収入は不確実性が高いため、その価値は現在受け取る収入よりも低くなります。給付現価は、将来の収入を現在の価値に換算することで、その価値を算出します。

給付現価の仕組み

給付現価とは、将来受け取る予定の現金の価値を、現在の価値に換算したものです。これは、金利の複利効果を考慮して計算されます。つまり、将来受け取る現金は、現在の時点では値上がりするということです。このため、将来受け取る現金の価値を現在の価値に換算するには、金利率を考慮する必要があります。

給付現価の計算方法

-給付現価の計算方法-

給付現価とは、将来受け取るお金を、現在の価値に割り引いて算出した金額のことです。計算式は次の通りです。

PV = FV / (1 + r)^n

* PV給付現価
* FV将来の価値
* r割引率（年利）
* n将来の年数

例えば、10年後にもらう100万円を、現在の割引率が3%の場合で給付現価にすると、次のようになります。

PV = 1,000,000 / (1 + 0.03)^10
PV = 約826,446円

この計算により、現在の価値で約82万円になることがわかります。これは、10年後の100万円の価値が、現在の割引率を考慮すると現在の82万円に相当するということを意味しています。

給付現価の活用例

-給付現価の活用例-

給付現価は、さまざまな金融上の意思決定において活用できます。例えば、退職資金の計画では、将来受け取る年金や退職金などの給付金を給付現価に換算することで、現在価値を把握できます。これにより、必要な貯蓄額や投資計画を策定することができます。

また、企業の資金調達においても給付現価は重要な役割を果たします。企業が債券を発行する場合、投資家が債券を購入するかどうかを判断するために給付現価が使用されます。債券の価格を算出することで、投資家が受け取る金利の現在価値を把握できます。

さらに、不動産投資においても給付現価は活用できます。不動産から得られる家賃収入や売却益を給付現価に換算することで、不動産の収益性を評価できます。これにより、投資すべき不動産の選定や投資額の決定を行うことができます。

給付現価の注意点

給付現価の注意点として、以下の点を認識しておくことが重要です。

* -将来の金利変動という不確実性-給付現価は、将来の金利を織り込んで計算されますが、金利は変動するため、実際の将来の価値は異なる可能性があります。
* -インフレの影響-インフレが起こると、将来の支払いの価値は低下します。これは、給付現価の計算結果に影響を及ぼす可能性があります。
* -リスクの考慮-給付現価は、支払いのタイミングと金額に基づいて計算されますが、将来の支払いを受領できるかどうかというリスクは考慮されていません。
* -用途の限定-給付現価は、特定の期間における単一の支払いを評価するのに適していますが、複数の支払い流入や流出がある投資案件の評価には必ずしも適していません。