ルーブル合意:為替相場の安定とドル高是正
投資の初心者
先生、『ルーブル合意』について教えてください。
投資研究家
『ルーブル合意』は1987年にG7各国が為替相場を安定させるために結んだ合意のことですね。
投資の初心者
具体的にはどんな内容だったんですか?
投資研究家
プラザ合意でのドル高是正に終止符を打ち、これ以上のドル安は好ましくないというものですが、実際は効果が十分ではなくドル安が進みました。
ルーブル合意とは。
経済用語の「ルーブル合意」とは、為替相場の安定を図るために各国が協力して政策を調整することを約束した、1987年2月にフランスのパリにあるルーブル宮殿で開催された先進7か国(G7)の財務大臣と中央銀行総裁による会議での合意を指します。
この合意は、1985年の「プラザ合意」で進められたドル高是正の動きに終止符を打ち、それ以上のドル安を望まないことを表明しました。しかし、各国の政策調整は十分に機能せず、その後もドルは下落を続けました。
ルーブル合意の背景と目的
1968年のルーブル合意は、国際通貨市場の混乱を解決し、為替相場の安定化を図ることを目的とした協定でした。この協定は、1967年のポンド切下げを契機とする世界的な通貨危機を背景に、西側主要国とソ連・東側諸国間の交渉の結果、締結されました。協定の主な目的は、金価格と主要通貨の交換レートを固定することで、為替相場の安定を確保し、ドル高是正を図ることでした。
合意の内容と各国の対応
ルーブル合意の核心的内容と各国の対応を以下に示します。
* -合意内容-
* アメリカはドル高の是正と為替相場の安定を促進する政策を講じると約束。
* 西ヨーロッパ諸国はドル高の影響を緩和するため、為替介入を行う。
* 主要産油国による原油価格の調整。
* -各国の対応-
* アメリカは為替介入を実施し、金価格の上昇を許容することでドル安を促した。
* 西ヨーロッパ諸国は、協調的な為替介入を調整・実施。これにより、ドル相場の安定化に貢献。
合意の効果と限界
ルーブル合意は、主要国が国際通貨制度の安定とドル高是正を目指すために合意したもので、その効果と限界が注目されている。合意によって為替相場の変動幅が一定範囲内に限定され、投機による急激な変動が抑制された。これにより、貿易や投資が安定し、経済活動の予測可能性が向上した。
しかし、ルーブル合意の限界も指摘されている。それは為替変動の完全に固定化には至らなかった点にある。合意は変動幅の設定にとどまり、急激な変動に対しては依然として対応が不十分だった。そのため、為替相場は依然として投機の対象となっており、合意が完全に為替相場の安定を確保したわけではない。
プラザ合意との関係
ルーブル合意は、1987年2月にフランスのパリで開催された主要国首脳会議(G7)で締結された合意です。プラザ合意は、1985年にニューヨーク市のプラザホテルで行われたG5諸国(米国、日本、フランス、英国、西ドイツ)による会合で発表された為替協定です。
両合意とも、為替相場の安定化とドル高是正を目的としています。プラザ合意では、ドルに対する主要通貨の切下げが合意されましたが、ドルの過度の低下を招いたため、ルーブル合意ではより慎重な措置が講じられました。ルーブル合意では、ドルに対して各国通貨を管理された範囲内で上昇させることで、ドル高是正を図っています。
ルーブル合意の意義と影響
ルーブル合意の意義と影響
ルーブル合安定は、為替相場の安定とドル高の是正を目的として1985年に締結されました。この合意は、主要通貨間の協調介入を可能にしました。協調介入とは、主要国の中央銀行が連携して為替相場を安定させることを目的とした介入で、ルーブル合意はこの仕組みを初めて導入しました。
ルーブル合意では、各国が為替相場に一定の許容範囲を設定し、その範囲を超えた変動があった場合は協調介入を行うことが定められました。このメカニズムにより、通貨の急激な変動が抑制され、為替相場の安定に貢献しました。また、ドル高を是正するため、主要国はドルに対して協調して介入を行い、ドル高の抑制を図りました。