投入・産出表の基礎をわかりやすく解説
投資の初心者
「投入・産出表」とは何ですか?
投資研究家
経済統計資料の1つで、財やサービスの産業間取引の状況をまとめた表のことだよ。
投資の初心者
産業連関表とも呼ばれるんですね。具体的にはどのような情報を示しているのでしょうか?
投資研究家
産業ごとの投入と産出の関係を表しており、その産業の生産が他の産業に与える影響や、各産業が他の産業からどのくらいの資材やサービスを調達しているかなどがわかるんだ。
投入・産出表とは。
投資関連の用語で「投入産出表」があります。これは国民経済計算(SNA)における統計の一つです。財やサービスが産業間でどのように循環するかを示した表で、産業連関表やレオンチェフ表とも呼ばれます。
投入・産出表とは?
投入・産出表とは、経済における各産業の相互依存関係を定量的に表した統計表のことです。この表では、各産業が生産する製品やサービス(産出)と、それらを作成するために必要な他の産業からの製品やサービス(投入)が詳細に記録されています。投入・産出表は、経済の流れや構造を分析するために使用され、経済政策の策定や産業間の相互作用の理解に役立ちます。
国民経済計算(SNA)との関係
国民経済計算(SNA)とは、経済活動を数値で表した包括的な統計体系です。投入・産出表は、SNAの重要な構成要素の1つであり、各産業での生産活動において、投入される財・サービスと、産出される財・サービスの関係を示します。SNAでは、経済活動は生産、分配、使用の3つの段階に分けられますが、投入・産出表は主に生産段階に焦点を当てています。SNAでは、投入・産出表のデータは、経済成長、産業構造の変動、輸入依存度などの経済政策の策定に活用されています。
産業間の循環の仕組み
産業間の循環の仕組み
投入・産出表は、産業間の相互依存関係を理解するために使用される重要なツールです。各産業は、他の産業から投入を受け、それを使って自社の産出物を生産します。たとえば、自動車産業は鉄鋼産業から鉄鋼を受け取り、それを自動車の生産に使用します。
このプロセスは、経済全体に連鎖反応を引き起こします。ある産業が生産量を増やすと、それを投入している産業の生産量も増加します。つまり、需要の増加が他の産業にも波及していくのです。この相互依存関係によって、経済活動が全体として拡大したり縮小したりするのです。
投入・産出表の利用例
投入・産出表は、産業間の取引関係を数量的に表すために利用されます。この表を利用することで、ある産業の生産が他の産業に与える影響を分析したり、産業間の相互依存関係を把握したりすることができます。また、産業の付加価値や経済成長の要因の分析にも用いられます。
さらに、投入・産出表は、産業政策立案や経済予測の基礎資料としても活用されます。例えば、特定産業の育成や衰退が経済全体に与える影響を推計したり、景気循環の予測に役立てたりすることができます。
レオンチェフ表との違い
レオンチェフ表とは、各産業が直接的および間接的に生産する生産物を示す表です。投入・産出表との主な違いは、レオンチェフ表では輸入が考慮されないという点です。一方、投入・産出表では、国内産業が生産する生産物と輸入された生産物の両方が考慮されます。そのため、レオンチェフ表は純粋に国内経済の構造を示すのに対し、投入・産出表は経済全体における生産と流通の関係を示すことができます。