コモン・ローとは?
投資の初心者
先生、『コモン・ロー』について詳しく教えてください。
投資研究家
『コモン・ロー』は、英国起源の判例法で、各地の慣習を基礎に国内で共通に適用される法体系です。
投資の初心者
では、『エクイティ』とはどのように異なるのですか?
投資研究家
『エクイティ』は、法律の厳格な適用ではなく、公平性や衡平を重視した法体系です。
コモン・ローとは。
「コモン・ロー」とは、判例法に基づく英米法系の法体系です。普通法とも呼ばれ、衡平法である「エクイティ」と対比されます。中世の英国で、国王裁判所(後のコモン・ロー裁判所)が各地のゲルマン法を基に判断を積み重ね、国内に共通する法律として発展しました。
コモン・ローの定義
コモン・ローとは、判例によって形成される法体系であり、成文法や制定法とは異なります。裁判官は、過去の判決を参照して同様の事実パターンに基づいて新しい判決を下し、判例が法の創造において重要な役割を果たします。判例は、時代とともに社会の変化や技術の進歩を反映して進化し続けます。コモン・ローは、法の柔軟性と適応性を促進し、司法による恣意的な裁量が抑制されることを目的としています。
コモン・ローの歴史的背景
-コモン・ローの歴史的背景-
コモン・ローの起源は、11世紀のノルマン征服にまで遡ります。ノルマン人は、自分たちの法体系をイングランドにもたらし、それは国全体に広まりました。この法体系は、主に判例に基づいており、裁判所が個々の事件を解決する方法を通じて発展しました。
初期のコモン・ローは主に王室裁判所によって管理されていました。王室裁判所は、国中を巡回し、地元の事件を裁きました。これらの裁判所の判決は、その後の同様の事件で前例として使用されました。この慣習は、判例法の原則へと発展しました。つまり、裁判所は、前の裁判所の判決に従う義務があります。
時間の経過とともに、コモン・ローはより複雑になりました。ヘンリー2世は、1154年に巡回裁判所のシステムを確立し、これにより法律の適用が全国で一貫したものとなりました。また、1215年のマグナ・カルタは、国王の権力が制限され、法の支配が確立されるなど、コモン・ローの重要な節目となりました。
中世を通して、コモン・ローは、衡平法や商業法など、他の法体系と相互作用しながら発展していきました。これらの異なる法体系の融合により、コモン・ローはさらに柔軟で、社会の変化に対応できるものになりました。
コモン・ローの特徴
-コモン・ローの特徴-
コモン・ローの最も重要な特徴の一つは、判例に基づくことです。判例とは、裁判所が過去の裁判で行った決定を指します。これらの決定は法の新たな原則となり、後の裁判で似たような問題が発生した場合に適用されます。この判例ベースのアプローチにより、コモン・ローは柔軟かつ適応力が高くなります。時代の変化に合わせて進化し、社会のニーズに対応できるのです。
エクイティ(衡平法)との違い
コモン・ローとエクイティ(衡平法)という2つの法的システムは、イングランド法から発展したものです。コモン・ローは慣習法に基づいており、裁判所での過去の決定や伝統が大きな影響を与えます。一方、エクイティは、コモン・ローの厳格さを補完するよう設計された別の法的制度です。エクイティは、正義と公平性に基づいて裁判所の裁量が重視されます。
コモン・ローとエクイティの主な相違点は、救済措置の性質です。コモン・ローでは、金銭的損害賠償が主な救済手段です。一方で、エクイティでは、差止め命令、履行命令、信託などの多様な救済措置が利用できます。これらの救済措置は、より柔軟で、損害賠償では解決できない権利侵害への救済を提供します。
コモン・ローの現代的役割
コモン・ローの現代的役割は、引き続き非常に重要です。現在でも、法体系に大きな影響を与えており、特に訴訟手続、契約法、不法行為法の分野で顕著です。コモン・ローは、法の予測可能性、安定性、一貫性を確保する重要な手段とみなされています。また、法の柔軟性と適応性を維持しながら、時代変化に適応する能力も提供します。