債券の裸値段とは?仕組みと計算方法
投資の初心者
債券の裸値段について詳しく教えてください。
投資研究家
債券の裸値段とは、経過利子が含まれていない債券の売買単価のことです。
投資の初心者
経過利子とはどういうものですか?
投資研究家
経過利子とは、債券を発行してから利払いまでの期間に発生する利息のことです。債券の裸値段にはこの利息が含まれていません。
債券の裸値段とは。
投資用語の「裸債券価格」とは、経過利息を含まない債券の取引価格のことです。
債券の裸値段の概念
債券の裸値段の概念
債券の裸値段とは、債券の現時点の市場価値を表すものです。利子や償還差益などの将来のキャッシュフローが考慮されていない純粋な価格を示します。債券の発行時または購入時の料金や手数料はすでに含まれていません。裸値段は、債券の現在の市場環境やその債券の支払いの期日などの要因によって決まります。つまり、債券の現在の需給関係や金利の変動を反映した、その債券の価値の核となる価格です。
経過利子の計算方法
-経過利息の計算方法-
経過利息とは、債券を購入した日から最初の利払い日までの間に発生する利息のことです。債券の売買時には、購入者が発行日に発生した利息から経過利息を差し引いて支払うことになります。
経過利息の計算式は次のとおりです。
-経過利息 = 1日あたりの利息 × 経過日数-
1日あたりの利息は、債券の年利を360日で割った値で計算できます。経過日数は、購入日から最初の利払い日までの日数です。ただし、利払い日が翌日の場合は、経過日数から1日を差し引くことに注意してください。
例えば、年利5%の債券を購入して、発行日から30日後に利払いがあるとします。この場合の経過利息は次のようになります。
1日あたりの利息 = 5% / 360 = 0.000139
経過日数 = 30日(利払い日が翌日のため差し引きなし)
経過利息 = 0.000139 × 30 = -0.00417-
裸値段の求め方
債券の裸値段を求めるには、以下の手順に従います。
まず、債券の額面を確定します。これは債券が満期を迎えたときに支払われる金額です。次に、債券の現在のクーポン利率を確認します。これは債券が支払う定期的な利息の割合です。最後に、市場金利を確認します。これは同等のリスクを持つ他の投資に対して支払われる現在の金利のことです。
これら3つの数値を基に、裸値段は以下の式で計算できます。
裸値段 = 額面 / [(1 + 市場金利/2)^期間]
期間は、債券の満期までの残存年数です。
裸値段の重要性
債券の裸値段は、投資家にとって非常に重要です。裸値段は、債券の残存期間における将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いたもので、投資家が受け取る正確な収益を示します。債券の価格を評価し、他の投資機会と比較する際に、裸値段が重要な指標となります。
裸値段が高い債券は、一般的により高い収益を提供します。これは、債券の現在の価値が高く、将来的に投資家が受け取るキャッシュフローがより価値が高いことを意味します。逆に、裸値段が低い債券は、より低い収益を提供します。
債券の裸値段を把握することで、投資家は債券の投資価値を評価できます。また、異なる債券間の比較や、債券市場のトレンドの分析にも役立ちます。これにより、投資家は賢明な投資判断を下し、ポートフォリオのリスクとリターンのバランスを最適化できます。
例題による裸値段の計算
例題による裸値段の計算
具体的な例を使って裸値段の計算方法を理解してみましょう。面金額が100万円で、クーポン率が3%、満期まで残り10年の債券があるとします。現在の市場金利は2%です。
まず、債券の将来キャッシュフローを計算します。クーポン利払いは毎年3万円(100万円×3%)で、満期償還時には100万円を受取ります。将来キャッシュフローは、1年後から10年後まで毎年3万円、10年後に100万円で合計130万円となります。
次に、市場金利を現在価値係数(割引率)として、各キャッシュフローの現在価値を計算します。1年後のキャッシュフローの現在価値は3万円÷1.02、2年後のキャッシュフローは3万円÷1.02²、10年後のキャッシュフローは3万円÷1.02¹⁰、満期償還金の現在価値は100万円÷1.02¹⁰です。
最後に、現在価値を合算して裸値段を求めます。したがって、この債券の裸値段は、3万円÷1.02 + 3万円÷1.02² + … + 3万円÷1.02¹⁰ + 100万円÷1.02¹⁰ = 約112万円となります。