アモチゼーションとは?仕組みと債券投資への影響を解説
投資の初心者
先生、『アモチゼーション』って何ですか?
投資研究家
『アモチゼーション』とは、債券の取得価格が額面金額を上回っている場合に、償還差損を期間按分して簿価を下げる処理のことだよ。
投資の初心者
なるほど。償還差損を少しずつ減らしていくってことですね。
投資研究家
そうだね。そうすることで、債券を保有している期間に均等に償還差損を負担できるんだ。
アモチゼーションとは。
投資用語である「償却」とは、債券を購入した際の価格(簿価)が額面金額よりも高い場合、償還時に簿価と額面の差額である償還損が発生することになります。この償還損を期間にわたって均等に配分し、簿価を段階的に減額していく会計処理のことを指します。
(例)取得価格が105円、残存期間が5年で、償却期間中に売却がないと想定した場合
アモチゼーションの概要
アモチゼーションとは、長期債権の償還(返済)期間内に、債券の取得価格と額面価格との差額を、利払い(クーポン)に組み入れて計画的に償却していく仕組みのことです。債券の発行時には一般に、額面金額よりも低い価格(取得価格)で発行されます。この場合、債券投資家は、利払いを受け取るだけでなく、債券が償還される際に得られる利益(額面価格との差額)も得ることができます。アモチゼーションにより、債券投資家は、取得価格と額面価格の差額を利払い期間中に少しずつ回収できるのです。
アモチゼーションの仕組み
アモチゼーションの仕組みは、債券の価値が時間の経過とともに償還されるプロセスです。債券発行時に設定された償還日に向けて、定期的に償還金額が支払われます。この償還額は、元本金額に、期間を平均化した利息額を合わせたものです。つまり、債券の価値は満期になるにつれて徐々に減少し、償還時にはゼロになります。このプロセスにより、投資家は債券の満期までに元本と利息をすべて受け取ることができます。したがって、アモチゼーションは、投資家にとって、債券投資のリスクを軽減する重要な仕組みなのです。
債券投資へのアモチゼーションの影響
債券投資におけるアモチゼーションは、債券の残存期間が短くなるにつれて、投資家が受け取る利息収入が増加する影響があります。これは、償還までの期間が短くなると、債券が額面価値に近づくため、投資家はより多くの利息収入を受け取ることができるからです。この利息の増加により、債券の全体的なリターンが向上し、投資家はより高い収益を得ることができます。また、アモチゼーションは債券の価格にも影響を与えます。債券の残存期間が短くなると、市場価格は額面価値に近づき、債券価格は上昇します。これは、投資家がより少ない期間で債券を償還できるため、より多くの投資家が債券を購入しようとするからです。
アモチゼーションの会計処理
アモチゼーションの会計処理
アモチゼーションは、会計的には減価償却と同等に扱われます。債券の場合、割引発行された場合はプレミアムを償還日まで均等配分して費用化、プレミアム発行された場合はディスカウントを償還日まで均等配分して収益として計上します。これにより、債券の簿価は償還日まで徐々に額面金額に近づけていきます。つまり、債権者は利息収入だけでなくアモチゼーションによる金利収入も得ることになり、債務者は利息費用だけでなくアモチゼーションによる費用も負担することになります。
アモチゼーションのメリットとデメリット
-アモチゼーションのメリットとデメリット-
アモチゼーションは債券投資において、両方の長所と短所を伴います。主な利点は、投資家が預金金利より通常高い固定金利を受け取ることができることです。これは、長期的に安定した収入源を提供します。また、アモチゼーション債券は、償還時に額面価格で償還されるため、元本保証されます。
一方で、アモチゼーションにも欠点があります。まず、金利が変動する場合、アモチゼーション債券の市場価値は金利と逆相関します。つまり、金利が上昇すると、アモチゼーション債券の価値は低下します。さらに、アモチゼーションは債券のデュレーションを短縮し、利子収入を長期にわたって分散させます。これにより、投資家は長期間にわたって安定した収入を受け取ることができなくなります。